わたしのバイブル

 意外なことに、女子は少年マンガをそんなに読まない。もちろん少年マンガが好きな女子は少なくないけど、少年マンガを一切読まないという女子も結構いる。

 わたしは、お兄ちゃんがいたから、少年漫画を借りてよく読んだし、お兄ちゃんもわたしの少女マンガをよく読んでいた。

 最近は少年とか少女とかでマンガを分類すること自体、なんだか時代遅れっていう気もするけど、まぁとにかくお兄ちゃんのおかげで読むマンガの幅が広がったのは事実だと思う。

 お兄ちゃんから借りたマンガで、わたしが1番感動したマンガは『天-天和通りの快男児』だ。この『天』は、簡潔に言えば麻雀マンガなのだが、わたしはこのマンガに出てくるアカギというキャラクターに心を奪われた。

 アカギの魅力について完璧に説明しきる自信がないので簡単に説明すると、アカギは麻雀がめっちゃ強いおじさんだ。『天』では、麻雀がめっちゃ強いおじさんとして登場して、最終的にはみんなに愛されながらも安楽死した。もちろん、これでは全然アカギの魅力を伝えきれていないので、未読のみなさんには是非『天』を読んでもらいたい。

 わたしだけでなく、アカギに心奪われた人は大勢いたのであろう。アカギは『天』から飛び出して『アカギ』というスピンオフを獲得した。アカギの青年時代の物語だ。最高。

 わたしはアカギにめちゃくちゃ影響を受けた。アカギのセリフのひとつひとつが、わたしの人生観をつくった。特にアカギが弾の入った拳銃を咥えて言った「狂気の沙汰ほど面白い…!」というセリフはわたしの人生を変えた。(ちなみにこの時アカギは中学生)

 わたしは、この「狂気の沙汰ほど面白い…!」を座右の銘として、人生の様々な局面を乗り切ってきた。大学受験でもすべり止めを用意せずに受けたし、周りの人みんなが「やめときなよ」という先輩と付き合ったし、スーツを買わずに就活をした。

 その結果、まぁそこそこ楽しく人生を過ごしているので、アカギにお礼を言いたいんですけれども、どこに行けばいいですかね?(アカギのお墓は、縁起がいいとしてギャンブラーが欠片を持っていくらしいので、なんかボロボロになっているそうです。見つけたら教えてください)

 

天?天和通りの快男児 1

天?天和通りの快男児 1