インド風サザエさん症候群

 「サザエさん症候群」っていう言葉がある。日曜日の夕方頃になると、休みの終わりと日常のはじまりを強烈に意識して鬱々となってしまう状態のことだ。まぁ気持ちはわからないでもないけれど、わたしは割と仕事にやりがいを感じているし、そこまで嫌いでもないので、幸いなことにサザエさん症候群にはなっていない。日曜日にはしっかり休んで、月曜に備えている。むしろ、問題なのは水曜日だ。

 わたしはカレーが好きだ。カレーを好きじゃない人なんていないだろうから、この自己紹介は「わたしは人間です」と言っていることとほぼ同義なわけだけど、わたしは毎日カレーを食べる程度にはカレーが好きだ。最早それは好きという気持ちを超越した信仰に近い感情だ。カレーを食べることに好きという感情はない。それは太陽が東から昇るように、コーラを飲めばげっぷが出るように当然のことなのだ。

 イチローは毎朝カレーを食べるらしい。もちろん、それはカレーが好きだという人類共通の感情がベースにあるのだろうけれど、やっぱり毎日となると、それは好きという気持ちを超越した崇高な何かだと思う。カレーはルーティンというわけだ(ルーだけに)。

 私の場合は、ランチにカレーを食べることを毎日の日課にしている。職場の近くにあるカレー屋「カーマ」のカレーは最高で、ランチはここと決めている。問題は定休日の水曜日だ。仕方がないので、水曜日はコンビニで買ったカレーや、自分で作ったカレー、有名チェーンのカレーを食べるのだが、「カーマ」のカレーと比べるとどうも物足りない。なんだか元気が出ない。それで水曜日は憂鬱だ。

 最近では、水曜日がやってくるのが本当にイヤでイヤで仕方なくなってきて、火曜日の夕方頃には既に憂鬱な気分だ。これも一種のサザエさん症候群だろうか。そういえば、昔は火曜日にもサザエさんが放送していたなぁ。ハァ……