不都合な真実

最近、寂しい。尋常じゃない寂しさだ。あたしがウサギなら内臓を全て体外に吐き出して息絶えてる。
だが残念なことにあたしは人間だ。こんなことでは死ねない。ウサギに生まれたかった。そしたら目が充血しててもわかりにくいし、ふわふわしてるし、なにより耳が長い。人間に生まれてしまったばっかりに少し目が赤くなっただけで目薬をしなきゃいけないし、無駄毛を気にしなくちゃいけないし、耳も短い。
話が横道に逸れてしまったが、とにかく寂しい。

家に帰って誰もいない暗闇に向かって「ただいま」と言う時のあたしの心の砂漠があなたに想像できますか?
もしあたしがラクダだったらこの心の砂漠にも耐えられたのに。ラクダだったら歩く時についうっかり右手と右足を同時に前に出しても恥ずかしくないし、なによりコブがある。でも人間のあたしにはコブがない。ラクダはいいよなぁ…
とはいえ、あたしも科学を信奉する近代主義者の一員だ。自分がウサギやラクダになったりすることがありえないことくらい知っている。ファンタジーやメルヘンじゃないんですからね。

というわけだからペットを飼おうと思う。それなら帰宅した時に「おかえり」くらいは言ってもらえるだろう。少し気の利くやつなら「ご飯つくっといたよ。お風呂も温まってるけど、ご飯にする?お風呂にする?それともワ・タ・シ?」みたいな展開になって、可愛いペットとベットで楽しい蜜月を過ごせるかもしれない。ウフフフフ(妄想)

どうせならポメラニアンとイチャつきたいな。

そう決意したんだけど、犬って10万もすんの?何かの間違いじゃない?あ!わかった。あれだ。金の卵を産む犬とかでしょ?って店員さんに聞いたら、
「いや、普通の犬でヤンス」だってよ。
信じられない(アンビリーバボー)。これは犬を飼うのは諦めんといかんな。犬が駄目なら鳥なんかはどうだろう?とりあえず鳥カゴだけ買った。あとはその辺の鳩でも捕まえていれとけばいいだろう。
隣の松尾さんなんて、いつも公園の鳩とかカラス捕まえて食べてるし、鳩くらい簡単に捕まえられるでしょ。
ちなみに、なんでカラスじゃなくて鳩にするかっていうと、飲みすぎちゃった時に、駅まで迎えにきてもらうため。
だってカラスじゃ黒いから夜道で視認しにくいでしょ?