メメント森のサドンです。

 うちの家系は急死の家系で、早死にをする人から長生きする人まで様々いるんだけど、全員急死している。病気にかかって入院して、ベットで死ぬということがない。事故に遭ったり、心臓が爆発したり、とにかく突然死ぬ。
 この原因は旧藩のお抱え剣士だった先祖と西洋妖怪の戦いにあるんだけど、長くなるから今回は割愛するね。
 そういう訳だから、うちの家訓は「気高く生きろ」ということになっている。いつどこで死ぬかわからないから、常に人に恥じない生き方をしろということだ。私の大叔父さんは、不倫相手との情事の最中に腹上死したとかなんとかで、一族の恥と言われている。
 まぁ私だって死に際に恥を晒したくはないから、常日頃から気をつけている。「死ぬ気でやる」という言葉があるけれど、私も絶えず死を意識して生活しているので、人に比べてもそこそこ頑張っていると思うし、成果も出ている。こういうところは家系に感謝だ。
 問題は内面的なもので、こればっかりは自分でもコントロールがうまくいかず、正直困っている。内面的っていうのは、つまり死ぬ間際に何を考えているかってことだ。
 理想を言えば世界平和のこととか、そういう高尚なことを考えている時に死にたいんだけど、私は集中力がないから、ついついくだらないことを考えてしまう。
 何を考えている時に死んだかなんて、人にはわからないっていう人もいるけど、やっぱり死に顔に影響すると思う。いやらしい事を考えながら死んだ人と、世の中に蔓延する不当な差別について考えながら死んだ人では、そりゃあ死に顔にも差がつくだろう。
 だから私は、できるだけ児童労働のこととかを考えながら過ごしているんだけど、この前行ったドン・キホーテの店内BGMが頭から離れなくて困ってる。考えないようにとすればするほど考えちゃう。


  ドンドンドン♪ドンキ♪ドン・キホーテ
  ボリューム満点♪激安ジャングル♪(ジャングルだ〜)


ーーここでこの手記は途切れている……