カニ道楽

 人にカニをごちそうしてもらった。あたしはカニが大好きで、今もロブスターを食べたくてしかたがない。こんどはロブスターおごってくんないかなぁ。
 まぁそういう訳で、無我夢中でカニをむさぼりくらってたら、
カニを食べると無口になるって言うけど本当だな」と言われた。
黙れ。今カニ食ってんだから邪魔すんな、このカニのハサミで二度と喋ることのできない体にしてやろうか!
 お腹いっぱいになるまで、カニを食べて、その日は大満足だったのだが、次の日目が覚めたらまたカニを食べたくなった。あーカニ食いてぇ。どうにかしてカニを食べれないものか…

 そこで賢いあたしはひらめいた。無口になればいいんだ。カニを食べると無口になるのであれば、無口になればカニを食べれるということ。コペルニクス以来の逆転の発想だ。
 逆に考えるというのは極めて重要な思考法で、これがなければジョナサンもブラフォードに勝てなかった。
 さっそく職場で無口を通してたら、
「どうした?機嫌悪いね。なんかおいしいものでも食べにつれてってやろうか?」だって。スゲー。
逆転の発想スゲー。これからは、犬を歩かせたかったら棒にあたるし、豚におだてられたかったら木に登るし、二階建ての家が欲しかったら目薬をさします。
 みんなも嫁が欲しかったら秋茄子食べるといいよ。