てめえらの血はなに色だ

 英語で「blue rose(青い薔薇)」といえば、「不可能」という意味になるくらい青い薔薇っていうのは作ることが難しいとされていたんだけど、バイオテクノロジーの発展で人類はついに青い薔薇を作ることに成功した。

 まぁ青い薔薇の話をするまでもなく、薔薇には色んな色がある。ところで「薔薇色の人生」っていう慣用句があるけど、あの薔薇色って何色なの? 仮に最もスタンダードな赤だとしたら、なんか血塗られた人生って感じがしちゃわない? ほら、薔薇の花束を抱えて恋人の元へ向かう途中に殺されたりするシーンで、血の代わりに花びらが舞うって演出みたことあるでしょ?

 話は変わるけど、いま色鉛筆のセットに「はだ色」ってないらしいよ。人種差別的なニュアンスが出てしまうからね。じゃあ何て名前になったのかって言うと「うすだいだい色」だってさ。

 まぁ何が言いたいかっていうと、物事には例外がつきものだから、固有名詞を色の名前に使うのはよくないってこと。わかった?

 

 まだ若い緑色のだいだいが、そう言った。